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ルーフバルコニーについて考える

今日はルーフバルコニーについて解説します。

先日あるお客様から「ルーフバルコニーってどうですかね?今検討しているんです」と意見を求められたことがありました。そういう機会があったので、今日は小ネタですが、ルーフバルコニーについて私なりの考えを解説したいと思います。

「ルーフバルコニー」という言葉は、みなさんもよく耳にされると思いますが、その正確な意味はご存じですか?みなさんは私と違って英語力があると思うので、聞けばわかるところかと思いますが、念の為に説明します。

「ルーフ」というのは、つまり屋根のことを指します。ですから、屋根の上にあるバルコニーのことを「ルーフバルコニー」と言います。

他にも似たような言葉として、「ベランダ」や、ルーフがない「バルコニー」「テラス」などの言葉がありますよね。これらを簡単に説明すると、「ベランダ」は屋根があるものを指します。一方で、屋根がなく、その下にも屋根がないものを「バルコニー」と言います。オーバーハングのような形が一番多いと思います。そして、「テラス」は基本的に1階に作るものです。タイルテラスなどがよくあり、それにはオーニングをつけたり、パーゴラをつけたりと、様々なパターンが存在しますが、それらを総じて「テラス」と言います。

典型的なルーフバルコニーは、2階建ての屋根の部分がバルコニーになっています。ですからその場所へ上がるために、例えば螺旋階段や非常階段のようなもので上がるか、ペントハウスのような形状を作るとなどという設えになると思います。

「ルーフバルコニー」のメリットを考えていくと、まずはその開放感が挙げられます。大屋根の一番上に上がるわけですから、周囲に高層の建物がない限り、遠くが見渡せる開放的な空間が広がります。近くに有名な山があったり、素晴らしい桜並木があったり、川が流れているという場合は、その景色を自分だけのものにできるような気分になれて、すごくいいと思います。

私の友人で、神奈川で工務店を経営している人がいます。彼が今建てている家は、ルーフバルコニーから富士山を一望できるようなお家で、本当に素晴らしいと感じます。ちなみにそのお家も、ルーフバルコニーには螺旋階段で上がっていくような形でした。

ルーフバルコニーは、総2階・総3階の上に載せたり、2階建ての1階の下屋部分の上に設けたりすることが多いです。2階の居室と2階のルーフバルコニーを連続させたりすると、面白い空間ができるということもメリットの1つです。

さらに、都市部で敷地が小さく、庭を持つことが難しい場合でも、ルーフバルコニーであればガーデニングを楽しむこともできます。プランターや鉢を置けば、プチトマトぐらいの家庭菜園はできると思います。

変わったところでは、朝日を浴びながらヨガをしたり、ストレッチをしたりすることもできます。家の上側なので、人目を気にせずにできると思います。

また、これは床材の防火性能にも配慮が必要ですが、バーベキューなどのアウトドアイベントに使うこともできます。

都市部で外の道路が危ない場合などでは、子どもをルーフバルコニーで遊ばせたり、小型犬であればドッグランとしても使えると思います。また、当然ですが、物干しとしても使用できます。

ジャグジーやプールを置くなどの選択肢もあります。都市部の庭スペースと考えると、ルーフバルコニーは非常に面白いと思います。

一方で、メリットがあればデメリットもあります。ルーフバルコニーの最大のデメリットは、上り下りが意外と大変だということです。気持ち的には、「年に何回使うのかな?」と考えてしまいます。最初は新鮮な感じで頻繁に使うかもしれませんが、次第に使用頻度が下がってしまうのではないかとも思います。

もう1つ大変なのが、メンテナンスです。最上階ですから、雨や外からの飛来物の影響を受けます。場合によっては汚れも溜まるので、日ごろのお手入れが必要です。

特に、手すりが格子ではなく壁になっている、大きな風呂桶のように四方を囲われたルーフバルコニーは、排水の問題があります。ドレンが詰まっていて排水がうまくいかないと、プールのように水が溜まってしまいます。さらに、それがオーバーフローして雨漏りを引き起こすこともあるので、頻繁に清掃やチェックが必要です。特に最近は集中豪雨などの災害も多いので、余計に注意が必要です。

それから、ルーフバルコニーは家の最上階にあるので、遮るものがなく日当たりが良いです。しかしその反面、暑すぎるという問題もでてきます。日が高くて晴天で日差しが強い時には、ルーフバルコニーにいられないほどの時もあるかもしれません。しかし、だからといって傘やテントを張るのも、少しでも風があったら怖いと感じるかもしれません。

あとは、やはりルーフバルコニーは一定のコストがかかります。特に防水対策は重要です。一般的に、木造住宅ではFRP防水などがよく使われますが、太陽光にあたるので、紫外線により劣化が進みます。紫外線劣化が少ない金属タイプや、耐久力のある高分子系の素材のものでないと怖いかなと思います。

さらに、最上階なので風も結構強いです。よく雨に濡れても良いような屋外用ソファセットなどを設置する方がいますが、それなりに重さがあるとは思いますが、注意が必要です。

このような点を踏まえた上でルーフバルコニーを作るのはいいですが、私の意見としては、一定の広さがある場所ではもったいないかなと思います。

よっぽど狭い場所で、ルーフバルコニーがないと残念と思う人にとっては良い選択肢になると思います。しかし、初期のイニシャルコストも、メンテナンスのランニングコストもかかります。その割には使う頻度がそれほど高くないことを考えると、広い場所ではもったいないと思うのが、私の正直な感想です。

一方で、絵で描いているような、2階や3階の居室と連続しているルーフバルコニーに関しては、例えばアメリカのゴージャスな映画などで、そこにジャグジーを置いて、美女と2人で入ってシャンパンを飲んでいるなどという映画がありますよね。美女はちょっと置いておいても、奥さんが美女だったら奥さんと一緒に入ったり、子どもさんと一緒に入ったりしても楽しいと思います。

ジャグジーや、夏場のプールなどは、あればそれなりに使われるかなと思うので、そういう形の設えに使うルーフバルコニーが一番オススメだと思います。

そして、そこは柵で囲われた1つの結界の中とも言えます。そこに庇もあると、よく引き合いに出している「外でも中でもない中間的な曖昧な領域」「中間領域」という、一番豊かな空間になります。そういう使い方で、ルーフバルコニーを使っていただいたらいいんじゃないかなと思います。ぜひ参考にしてください。

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