観葉植物で映える家にするポイント
今日は観葉植物の飾り方についてご説明します。
家づくりを考えていく中で、いよいよインテリアのことを考える段階になると、観葉植物を上手に飾るということが頭に浮かばれると思います。しかし、こういう風に思い付く方は実は少数派で、最後に家具を入れる時になって「観葉植物を何か置けるかな?」と考えるのが、どちらかというと現実かなと思います。
私たちが建てさせていただいたお家で、竣工後にお邪魔させていただくと「この家なんか感じええな」と思うお家がよくあります。そういうお家の多くに、上手に観葉植物を飾られているという点があります。
このように、上手に観葉植物を飾られているお家の奥様方に聞いたお話や、観葉植物を販売するプロの方に伺ったお話について、みんなでシェアしたら楽しいかなと思う内容がありましたので、解説していきたいと思います。例えばカフェに行った時に、観葉植物があるカフェとないカフェって、全然違いませんか?ここで、観葉植物が持っている力とは一体何なのかということを考えてみます。
一番は何と言っても、緑のリラックス感・温かみがあります。
それから、家の中に置く1つの効果として、蒸散作用があります。観葉植物も当然生き物なので、湿気を出してくれるんです。お家の奥様たちが水を撒くと、観葉植物はそれを吸収すると同時に放出もしてくれます。観葉植物には蒸散的・加湿的な力もあるということです。さらに、空気中の有害物質を吸着してくれて処理してくれる効果もあります。その力があるから、この緑の星である地球は、これだけ人間や動物がいても、たくさんの植物のおかげで美しい状態が長くキープされているんですよね。つまり、光合成をしてくれるということです。例えば二酸化炭素を私たちが出しても、植物はそれを使って光合成して、きれいにしてくれます。ですから、観葉植物を置くことはとてもいいことです。
最後に、風水的な効果もあります。風水的に、観葉植物の置き方でいろんなことが変わると言われます。そして、何と言っても縁起がいいですよね。縁には、そういう力が効能としてあると思います。それならば私もプロの端くれとして、お客さんと観葉植物の話題になった時にどんなものを勧めてあげたらいいのかと思い、プロの方に「初めての場合はどんなものがいいんですか?」と聞きました。すると、4つの植物を教えてくれました。
1つ目はガジュマルです。南の方で、水辺で根っこがグニャッとしている植物がありますが、その根っこのモッコリした感じの上にきれいな葉があるものです。2つ目はポトスです。葉の真ん中に黄色味が強くある、緑がすごく鮮やかなものです。3つ目はパキラです。幹が女の子の三つ編みのようになっていて、その幹がギューッと伸びた上に緑がパッと開いた形をしています。樹形がとても綺麗なものです。4つ目はカシワバです。枝ぶりが曲がったりしていて、得も言われぬ味があるようなものです。
この4つが、個性があって華があって、割と丈夫で育てやすいので、初心者の方におすすめだそうです。
私がこのような話をするのは、家づくりの間取りや内装を考える時に、どんな観葉植物を置くかということを早い段階から頭に置いておく方が、素敵な家になると思うからです。その上で、プロの方や素敵な観葉植物を上手に置いていらっしゃる奥様たちに、観葉植物を映えさせる4つのテクニックを教えていただきました。
1つ目に、鉢カバーが重要だということです。ホームセンターに売っているようなものを置くと貧相ですが、同時にちょっといい鉢や鉢カバーを買うと、途端にエレガントかつゴージャスになります。この鉢カバーがその家のインテリアのテイストと一致するといいそうです。例えば、黒がいいのか、白がいいのか。プラスチックの鉢をラタンや陶器のものにする、などということです。
2つ目が、プランツテーブルを使うことです。プランツテーブルとは、植物を飾るための小さなテーブルです。これを使うとグッとリッチな感じがするそうです。そう言われて、九州にいる友達の歯医者さんを思い出しました。そこの待合室には、とてもカッコいいプランツテーブルや、素晴らしい鉢に入った観葉植物が飾ってあるんです。「ああ、なんだかすごくリッチな空間!」と思います。自分の家でもこれをできるといいですよね。
先日、加湿器を置く場所も家の設計時点で冷蔵庫と同じように考えましょうということをお話ししました。このプランツテーブルも同じように、設計時点で考えておくといいと思います。ソファやテーブルは置き場所を考えますが、プランツテーブルを考えたことありますか?住んでからは考えると思いますが、できれば設計時点で考えた方がいいと思います。
3つ目に、吊るすということです。「観葉植物ほど吊るすのが似合うものはない」とおっしゃっているプロの方がいらっしゃいました。例えば窓辺に観葉植物を置こうとしても、出入りするのに邪魔だという問題がありますよね。しかし、吊るしたらいいということないですか?それなりに重量があるものもありますし、水を吸わせるとさらに重たくなります。ですから、天井補強も考えながら、吊るすということを考えておくのがおすすめです。そうすると、結構素敵なリビング空間や自分の居室が作れると思います。
最後に、観葉植物を映えさせる最大のポイント。これが今日一番お伝えしたかったことです。これはプロの方に教えてもらいました。
「お家に観葉植物を配達して持っていった時に、”おぉ!”と思う所と”アチャー!”と思う所があるんです。その違いは何かわかりますか?」と言われました。私は、「お金が掛かっている・掛かっていないとか、広い・狭いとか」と思ったのですが、違いました。
色目なんだそうです。それは、「どういう色にするといい」ということではなく、色の数が多いとよくないとおっしゃっていました。家の内装を考える時って、ついつい張り切ってしまいますよね。アクセントにクロスを、すごい柄のものを持ってきたりとか。それは高度なセンスを要します。
色彩的にごちゃごちゃしたものを調和させる力がある方っていらっしゃいますよね。例えば映画監督の蜷川幸雄さんの娘さんで、映画監督・写真家の蜷川実花さん。彼女の映画は極彩色ですごいですが、私たちには絶対あんな色使いこなせません。あんな天才、あまりいません。
私たち凡人は、色目は2色か3色までぐらいにして、色目の数を少なくして観葉植物を飾る。そうすると、その縁がすごく鮮やかに引き立つそうです。「それだけが、映える・洗練される最大のポイントなんです」と言われました。「さすが、プロの話は聞かなアカンな」と、とても勉強になりました。
私が大好きで大尊敬する、大西憲司先生は、インテリアまで考えられる先生です。先生の見学会では観葉植物も置いた状態で見せていただくのですが、「確かに」と思いました。私は「観葉植物の選び方が素敵」と思い込んでいたのですが、違いました。それを映えさせる家のカラーリング、色味の抑え方がとても上品で秀逸だったんです。この話を聞いてから、ますます「大西先生スゲー!」と思うようになりました。
観葉植物は家をすごく豊かにするものだと思います。ぜひ利用してもらって、それに備えるための家の基本設計・基本計画をしてもらえたら、すごく満足できる家づくりになるんじゃないかなと思います。ぜひ参考にしてみてください。