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蓄電池よりすごい”おひさまエコキュート”について解説します

今日は、おひさまエコキュートについて解説します。

最近は光熱費、特に電気代が爆上がりしていますよね。そんな中で蓄電池が結構注目されているじゃないですか。蓄電池はもちろんいいのですが、その前にもっとみなさんに知ってほしいことがあります。それはおひさまエコキュートという新しい仕組みです。

個人的な話ですが、自宅に太陽光発電を8.5kwほど載せています。ちょうど1〜2ヵ月前、載せてから10年が経ちました。10年間の買取期間(FIT)が終わったため、買取金額がグッと下がって、うちの妻は「ずいぶん買取額が減ってるわ」と言っています。

FITが終わる前後から、毎日のように「蓄電池を入れませんか?」というセールス電話が掛かり始めてきました。こういう目に遭っている人も多いのではないでしょうか。

蓄電池はいい物だと思いますが、コスト的に採算が合うかと言うと、まだ好きな人の商品みたいな感じがあります。広く普及する前夜のような状態です。先日も蓄電池の技術者の方とお話ししましたが、蓄電池が安くなるのはもう少し年月が掛かるとおっしゃっていました。

そんな時に出てきたのが、おひさまエコキュートです。東京電力さんの管轄では、すでに運用が始まっています。ここに来て、関電管轄もおひさまエコキュートを認めるという形になってきましたので、これは知っておいてもらいたいということでテーマに取り上げました。

そもそも、なぜエコキュートがいいのか。1軒の家の中でエネルギーは様々に使いますが、実は一番大きなエネルギーコストを使うのがお湯です。全体の光熱費の3〜4割と言われるぐらいなので、これは大きいですよね。そのため、お湯の効率を極めることが、光熱費が高騰する時代にはとても有効なのです。

エコキュートはヒートポンプという技術を使うため、一番効率がいいと言われています。これに関していろんなことを言う人がいますが、ヒートポンプの効率に勝るものは今の技術ではまず無いと思います。

実は電気代は、一日中ずっと同じ値段ではありません。関電管轄でしたら、ナイトタイム・リビングタイム・デイタイムという感じで、時間帯によって電気代が微妙に違うのです。一般的に昔は深夜電力と言っていましたが、夜は電力を使う人が少なくなるため深夜帯は割安になるという契約形態があります。

これまでの一般的なエコキュートでご説明します。22時から翌朝7時までの期間はナイトタイムです。今でしたら15.2円/1KWなので、ここの安い時間帯でお湯を沸かします。大きな冷蔵庫のようなフォルムの貯湯槽にお湯をためて、置いておきます。お風呂にお湯をはると言ったら17時・18時の時間帯だと思いますが、それまでの間は貯湯しておいて、ここでようやく使うという使い方になります。これが安く沸かせて、一番エコなプランだったわけです。

一方でおひさまエコキュートは、深夜電力でお湯を沸かしません。基本は、太陽光発電の電力を使って沸かすというアイデアになります。どういうことかというと、太陽光が一番強い8時〜15時に生まれる電気を使って、お湯を沸かすのです。太陽光発電の自家消費が基本になるため、エコキュートだけでは成立しません。太陽光発電が載っていないと使えないスキームですが、これが俄然注目を受けています。

それには2つの理由があります。昼に沸かして夕方にお湯を使うので、お湯が冷めにくいですよね。貯湯する期間が、物理的に短くできるためです。深夜に沸かしたお湯を、長時間ずっと魔法瓶に入れて持っているのと、沸かしたてをすぐ使うのとを比べたら、すぐ使う方が効率がいいじゃないですか。

もう1つが、太陽光発電の自家消費の効率の良さです。太陽光発電を利用するということは、一方でFITが終わってない10年間の買取期間は、今なら17円で買ってくれます。この17円と比べて、深夜に沸かしたらどうなのかというところを見ておかなければなりません。

ナイトタイムは15.2円なので、17円より安いからいいというわけではありません。実はこれに再生可能エネルギー発電促進賦課金が付くし、今だったら飛行機の燃料サーチャージみたいな感じで、燃料調整費がプラスされます。これを合わせると、20円以上には絶対になるのです。

ひょっとしたら、こうしている間にも値上がりしているかもしれないぐらい、上がっています。そうなってくると、深夜電力で沸かすよりも、売電せずに自家発電で沸かして使った方がお湯は安く沸かせる、という簡単なロジックが成立するようになりました。ましてや、エネルギー危機の関係で、これからどんどん値上がりしていくのではないかと予想されています。このお得さの差がもっと開くということです。

現段階の蓄電池を導入して蓄電するのではなく、おひさまエコキュートと太陽光発電でお湯を沸かす方が、家計という大きなフレームで考えた時には最適なので、これが大注目されているのです。重い腰を上げて関電さんもやってくださるということなので、東電管轄はもちろん関西電力管轄の方は、これを利用しない手はありません。

FITが終わって、私みたいに「蓄電池を付けませんか?」と飛び込みセールスや電話セールスをガンガン受けている方は、ちょっと待ってください。セールスなので、すごく得するように言ってくると思います。値引きされることもあるかもしれないし、全部のケースはわかりませんが、私は間違いなくおひさまエコキュートが先かなと思います。その上でまだ利用価値があったら、付けるのはいいのではないでしょうか。

ましてや、太陽光発電をやりながらガス給湯器を使っているお家もありますよね。特に電気温水器は最悪です。これを使っている場合、10年ほど使っていて壊れそうになっているのならば、これを機に買い替えても元が取れると思います。

私の師匠である松尾和也先生は、この辺にとても詳しくて、数字に強い方です。先生が最近おっしゃっているのは、おひさまエコキュートを導入して「はぴeタイムR」というオール電化のプランにするより、従来型の従量電灯Aプランの方が基本料金も安いし、燃料費の調整額も抑えられるということです。この組み合わせが、今この瞬間では最も合理的になります。

これから家づくりを考える人は、まずは何も考えずにオール電化で進めてください。いろんな電気会社さんが、他社に負けじと消費者の方にプラスになるようなプランを出してくると思います。おひさまエコキュートと太陽光発電を導入しながら、最適な電気のプランも考えてみてください。

私も正直、まだ師匠の受け売りを言っているだけで、細かいシミュレーションをやりきれていません。うちのお施主さんのためにしっかり勉強して、これが一番得だということをハッキリさせて、強くオススメしていきたいと思います。

別に私は関電の回し者ではありませんし、ダイキンさん・パナソニックさんやコロナさんの回し者でもありません。新築はもちろん、リフォーム・リノベーションにも超オススメのスキームというか、とても魅力のある商品(仕組み)だと思いますので、ぜひ頭に置いていただけたらと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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