メニュー

Movie

トップページ / 動画 / 初心者の方におすすめ / 二人で料理することを前提としたキッチンレイアウト

二人で料理することを前提としたキッチンレイアウト

今日は、2人で料理することを前提としたキッチンレイアウトについて解説します。

ある方から、こんなご相談を受けました。「2人のために使いやすいキッチンを提案してください」と。その方々はミドルというか、子育てがギリギリ終わったぐらいのご夫婦です。これまでもある程度は一緒に料理してきたけど、子どもが親離れしたので、2人でいろいろ料理して日々を楽しんでいきたい思いがあるということでした。

これを受けて考えている中で、これからの家づくりには、2人で協力しあってキッチンを使うニーズというか価値観が大きくなっていくのかなと思いました。特にシニアの家づくりやリフォームに多いかもしれません。今日は、そういったニーズにぴったりなキッチンのレイアウトとは何かということを、ご提案できればと思っています。

私たちが新築のお手伝いをしていると、人気なのは対面式キッチンです。左右どちらかの壁にI型キッチンを寄せて配置して、冷蔵庫を置いて背面に収納をやるという感じになると思います。カウンターから向こうが見通せて、そこにはダイニングテーブルがあって、家族の顔を見ながら料理や後片付けができるみたいなレイアウトですよね。ペニンシュラ型とも言われたりします。

これは、子育ての間は非常に重宝するのです。特に子どもさんが小さい頃って、ふっと気付いたら所構わず遊んでいます。キッチンは刃物を使ったり火を使ったりして危ないので、ここに入ってこないようにしたいというニーズがありますよね。

I型だと1方向だけプロテクトすればいいので、片方だけ気にしておいたらいいということになります。ベビーフェンスも割と簡単にできますから、そういう意味で子育てに向いている。子どもさんと対話もしやすいから、後片付けしている時も水仕事している人が独りぼっちになることもないじゃないですか。だからこれはとてもいいとは思うのです。

キッチンの奥行きが600mmあって、背面が450mmぐらいあるとしたら、キッチンと背面の間の通路は1m〜1m5cm(105cm)ぐらいの設計になることが多いかなと思います。そうなると、2人がすれ違う時は「ごめん」と言いながら横歩きしたりして、やや動きにくい寸法です。マンションだと、1mもなくてもっと狭いと思います。

これも設計する立場で言うと、I型キッチンでストレスなくすれ違うんだったら本当は1200mm(1m20cm)ぐらいは空いていないとやりづらいはずです。なので、通路を広くするとしたら、キッチンごと前に出すみたいな感じになるかもしれないですね。

こういった点で、一般的に作られるI型の対面キッチンは「2人で使うのはなかなか…」ということになるのだと思います。

それに対して、よく昔から言われてきたのは「2人以上で使うならやっぱりL型だね」ということです。今もありますけど、昔は結構多かったですよ。特徴としては、空間を広く使えるので2人が行ったり来たりしやすいことです。

特にアイランドカウンターと言って、独立したカウンターみたいなものができると、ここを調理台にも使えます。例えばアメリカ映画でよく見るのは、これを拡張してテーブルみたいな感じの広さがあって、調理もするし朝食もそこで食べるみたいなシーンです。

そんなスペースになるのでいいのですが、何点かデメリットがあります。一般的に価格が上がりやすいところと、L型の角の部分がスペースとして使いにくいところです。昔はここに炊飯器を置いている家もあったと思います。作業に支障がないので置きっぱなしでもいいという感じでしたが、昨今は美観の点でキッチンカウンターの上に大きな家電調理器を置きたくない風潮もあるので、そういう意味で言うと良し悪しもあると思います。

ましてや背面収納が取れないので、収納を取ろうとすると離れた所に作るようになります。キッチンスペース自体が広く必要ということです。I型なら4畳を切るスペースで成立するけど、L型だと完全に6〜8畳ぐらいは必要になります。昔のサザエさんのキッチンみたいな感じになるということです。

それではI型はダメなのかと考えた時に、通路が狭いのともう1つ、2人が並んで同時調理ができないということがあります。例えば、奥さんが洗い物をしている横で旦那さんが包丁で切るというのは成立するじゃないですか。でも、一気に料理を作るという日に、一緒に材料切ったりしたい時だと、やりにくいのです。

その時に有効なのが、シンクを真ん中に配置することです。シンクを真ん中にして両側に調理スペースを設けると、それぞれがマイ包丁とマイまな板でやれるから、調理の共演ができます。通路に関しても、どちらもスマートだから1050mmでいいというご夫婦だったら、両側に調理スペースを設けるだけで2人で料理ができますよね。

また、2人で調理するのに向いているのは、人気のアイランドキッチンです。ぐるぐる回遊できるので、非常にストレスが少なくなくなります。1つ欠点があるとすると、面積が結構必要です。あと、舞台みたいになるので、調理中はいいのですが物を出しっぱなしにしていると気になる方もいらっしゃると思います。出しっぱなしが気になる方は、舞台みたいなキッチンもどうなのかと思うので、そこも1つ知っておいてもらえたらと思います。

アイランドキッチンは、ダイニングテーブルを合体させるようなやり方も面白いですよね。I型のキッチンを使って、前にカウンターテーブルを作って擬似アイランドキッチンにするみたいなやり方もあります。

どんなキッチンにも共通して、コンロ問題があります。今の主流は3口コンロです。2つバーナーがあって、奥に小さいバーナーがあることが多いと思います。これだと並んで料理しにくいですよね。調理って1つのフライパンとか1つの鍋でやるんじゃなくて、下茹でしながら何かとやりたい時があるので、1つの対策の商品として横並びの3連式コンロがあります。

簡単に言うと、信号機みたいに3つ並ぶのです。もちろん普通のやつより広くなりますが、端と端にいて真ん中を使いながら両側がそれぞれコンビネーションするみたいなことができるので、これも2人で料理することに対しては有効なアイテムだと思います。

最後に2つ説明したいことがあります。2人でキッチンを使う時には、ゴミ箱のスペースをよく考えてくださいね。2人でガーッと作業が進んでいくので、同時に食材を剥いたり処分したりする時に、ゴミ箱がどこにあるのが一番合理的かというのはよく考えた方がいいです。それがうまくいかないと、2人の掛け合いが円滑になりません。調理しながら片付けていくためには、それがすごく大事だと思います。

もう1つは、「究極の2人調理ってどんなのかな?」ということです。私が思うに、アイランド型で真ん中シンク、両側が調理スペースでテーブルぐらいの広さがあって、その前に子どもや孫を座らせて、じいちゃんとばあちゃんが張り切るみたいな。舞台みたいでカッコいいと思います。後ろに3連式のコンロがあって、ちょっと離れてオーブンやゴミ箱スペースがあるというレイアウトです。これは10畳ぐらいになってしまうから、現実的かどうかはわかりませんが、このエッセンスは使えるところがあると思うので、覚えておいていただければと思います。

考えてみたら、2人で料理するってものすごく夫婦仲が良くて、憧れるような暮らしですよね。先日相談された方にも「これをネタに2人で話し合って自分たちのイメージが固まったら、造作でキッチンを作る方がいいのか、既製品の中から選んだ方がいいのか、具体的に締めていったらどうですか?」みたいな感じで、アドバイスをさせていただきました。

これからは家事を2人でこなすことが主流になっていくと思うし、それってとても良いことですよね。これを踏まえて、リフォームや新築などのキッチン計画を進めてもらえればと思います。ぜひ参考にしてみてください。

家づくりのことなら、なんでもお気軽にご相談ください
お電話でのお問い合わせ
受付時間 9:00〜18:00 【水曜定休】