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エアコン冷房の効きをぐっと高める方法

今日は、エアコン冷房の効きをぐっと高める方法について、お話をしたいと思います。最近の暑さで、「エアコンがよく効くようにどうやったらいいんですか?」という質問を受けました。本当に暑いですよね。観測史上かつてない過去最高温度が、あちこちで出てるぐらいです。「エアコンの効きが悪い」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そうなるとすぐに対応してもらわないといけないので、まずは運用面に関して話をしたいと思います。

運用面と言っても、大した話ではありません。それでも意外とうっかりすることはあるので、復習というか確認のつもりで聞いてください。まず、エアコンがどういう造りになっているかを説明します。いわゆる私たちがエアコンだと思っている、室内に付いている室内機。それから、フレキ配管で繋がった室外機という、2つの物で構成されています。これらを使って、ヒートポンプというやり方で部屋を暖めたり冷やしたりします。外にあるファンで外気を通過させながら外気の熱を汲み上げて、その汲み上げたエネルギーを使います。ですから、室外機は必ず付いているんです。

室外機は置く場所によって、過酷な目に合います。例えば、南側や西側に置いてある室外機は、太陽の光をとても受けますよね。クーラーで冷やすためには、冷熱を汲み上げなければいけないです。室外機が太陽光でカンカンに温められると、どうしても冷熱を汲み上げにくくなります。なので、部屋をうまく冷やすためには、直射日光が当たらないように室外機に日除けを付けてください。発泡スチロールでも板でもなんでもいいです。仮で作ったような物であってもかなり効果が出ます。これをやるだけで冷えやすくなります。電気代も少なく済みますので、ぜひやってください。

今は夏場なので冷房の話をしていますが、逆を言うと冬はいいんです。冬は直射日光が当たってくれる方がいいということです。エアコンが熱を汲み上げていく時に、それを助長してくれます。これをぜひ頭に置いておいてください。

運用面でのもう1つの対策が、フィルターとかファンの掃除です。室内機は、リターンの所(吸い込む所)を開ければフィルターを外せると思うので、これを掃除してください。使い出してから1ヵ月くらい経つと案外汚れています。掃除機能付きではなく、シンプルな作りのエアコンを使っている人は、ぜひフィルターを掃除してください。

一方、外の室外機にはフィルターはありませんが、網が付いています。そこにもゴミや埃が付いていたりするので、これも水で流してもらったらすごくいいです。場合によってはこびり付いているので、洗剤でふやかして活性化してから流してください。フィルターや網目の掃除ぐらいでエアコンの効きは変わります。なので、くれぐれも室外機の前に物を置いたりして風を遮らないでください。最近は、ウッドカバーを付けて見た目をカッコよくしている人もいます。その場合は、風がちゃんと通り抜けるようになっているかは見ておいてくださいね。意外とそれが邪魔をして効いていないこともあります。

最近はAIエアコンという賢いタイプもあって、何でもしてくれる感じがしますよね。しかし、基本は吹き出し口から1方向に風を押し出す力しかありません。つまり、エアコンの口が向いてる方向にしか冷気は行かないです。冷気はすぐに下に溜まってしまいます。そのため「上は暑い、でも足元は寒い」みたいなことになるんです。ですから、扇風機やサーキュレーターなどで、室内の空気の循環を促進させてください。これをやることが、運用面でエアコンを効かせるということになります。

この運用面の対策については、家の設計時にも考えておきましょう。1軒の家で室外機をどこに置けばいいのかと言うと、冷房で考えたら太陽が当たらない北側の所です。特に朝より西日が暑い傾向があるので、なるべく東寄りの北にある方が日が当たりにくいです。ここに置いておくと、冷房はグッと効きます。小屋裏エアコンみたいに冷房を専門に使う時は、最強の配置です。一方で、暖房の時は日に当たった方がいいです。暖房も使う場合、南や西に置くのは仕方がないので、ぜひ日除けを上手に使ってあげてほしいと思います。

さっきも言いましたが、エアコンは吹き出し口から1方向に対して風を送る力しかないです。なので、エアコンをどこに付けるかによって、効率が違ってきます。例えば正方形の部屋だったらいいですが、大抵はどちらかに長いと思います。長辺方向あるいは短辺方向に向かう形で付ける場合があります。短辺方向に風が吹くように真ん中に付けたら、両側に風が行ってグルグル対流するから効率がいいと思う人もいますよね。しかし、部屋の隅まで届け切ることを考えたら、長辺方向に風が吹くように付ける方が効率がいいと言われています。これは家の設計というより、設備関係の配置設計になりますが、押さえておいてください。間仕切りや窓の都合もありますが、選べるならここにしたらいいと思います。

吹き抜け空間、あるいは天井高が高い部屋なら、エアコンは高い所にあった方がいいです。高い所に付けると、1方向に強く吹き出した風がスーッと下がってきます。それによってうまく空気が循環するんです。その上で、設計面で冷房をグッと効かせる最大のポイントは、庇やシェードなどの日除けを付けることです。専門的には、日射遮蔽と言います。日除けをナメたらいけませんよ。配置より何より、エアコンが効きにくい原因のほとんどはこれです。日除けが窓に付けられていないと、太陽の熱が入りすぎてどうにもならない。夏の太陽の熱はべらぼうに大きいですから、これは絶対にやってください。

そして窓に関しては、樹脂サッシ・樹脂スペーサーがおすすめです。断熱性能も、クーラーをしっかり効かせる視点で言うと、HEAT20のG1グレード以上にしておいた方がいいと思います。屋根や天井の断熱も入念にやっておきましょう。屋根の焼き込みは非常に熱を持ちます。エアコンがいくら上手に効いても、上から熱がまともに来たら効率は落ちるんです。

間取りについては、なるべく部屋を小さく切らずに、ワンルームのような設計をする方がよく冷えます。例えば、今私がいる部屋の隣に部屋があります。隣の部屋に誰もいないからと言って冷房を切ったら、この部屋は全然エアコンが効かなくなります。それぐらい、冷やそうとする部屋は、建物の中の冷やしていない空間の影響を受けるんです。ですから、ワンルームにすると満遍なく全部涼しい。冷えるまでに時間が掛かるし、エネルギーが必要になりますが、一旦冷やしてしまうと心地良さが持続しやすいし、使うエネルギーも小さく済むという利点があります。

こういうところを頭に置いてエアコンの活用をしてもらうと、暑い夏もバッチリ乗り越えられると思います。

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