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今日のテーマはソファです。家を新築する時に買いたい家具の筆頭ですよね。

僕たちは基本設計・間取りを担当する時、図面に絶対反映させる家財道具が4つあります。1番目は冷蔵庫、2番目が洗濯機、3番目がダイニングテーブル、そして４番目がソファです。ソファは必ず描きます。これまで担当してきたお客様を思い出すと、「家に合わせてソファ新調します！」という方、とても多いです。これから買う方に知っていただきたいことがあって、ソファというのはびっくりするぐらい場所を取ります。

みなさんは大体2〜3人掛けのソファを購入するケースが多いと思います。2人掛けのものだと幅は大体1m50cm、3人掛けのものは2m10cm〜2m20cmぐらいになります。肘がボリューミーなやつは、結構な大きさになります。座面は80〜90cmほどあります。これを図面に落としていくとき、大体ソファの後ろと横には30cmぐらいのゆとりがほしいと考えます。壁ぴったりにすると、座ったとき、頭とか手のあたりが窮屈に感じますからね。

あとは30cmより狭いと人が通れないので。ソファの前に関しては50cmぐらいほしいですね。でないと、ゆったり座れないと思います。そうするとポピュラーな寸法の3人掛けソファでも、1m60〜1m70cmぐらいのスペースがないと快適に座られへんのです。幅に関しては、ソファ自体の寸法が2m10cmの場合、リビングに置くためには2m70cmぐらい広さが必要になります。

この数値を聞いて、みなさんどうでしょうか？近くにテーブルを置いたら、さらに20〜30cmほどのスペースも必要になります。多くの人が「広いリビングが欲しい」と言うのは、ソファを置きたいからなんですよね。

以前、別の動画でリビングダイニングの考え方をお話したとき、子どもが成長して、家族全員が大人になったときのことを想定すると、リビングよりダイニングを充実させるほうが重要ですよということをお伝えしました。今回のソファに関しても、この話とかなりリンクしています。

僕の家もソファは3人掛けのものを使っています。うちは娘が2人いて、どちらも成人しています。で、この3人掛けソファが今どんな状況かというと、あまり頻繁には使われていません。僕が腹出して寝てるか、女房が昼寝に使うか、２人の鞄とか取り込んだ洗濯物一時的に置くぐらい。娘たちを挟んで妻と座ったのは、僕の記憶だと長女が4年生ぐらいのときが最後です。

これお父さんたちにとっては悲しいニュースですね。すみません。さすがに長女が5〜6年生になったら、お父さんと並んで座るのは気恥ずかしいみたいでした。僕はめっちゃベタベタしたいんですけど、サッとかわされることが多くてね。次女はまだ小さかったので引っ付いてくれてましたけどね。頑張って大塚家具で買った高いソファだったんですけど、今はそんな感じです。

子どもたちが休みの日とか、大学の下宿先から帰って来たりした時には、並んで映画見るのとか憧れてましたけど、ほぼないです。映画は好みが違いすぎて「お父さんの見る映画はマニアックすぎる」って怒られてるぐらいです。なので高い買い物ではあったけど、使った期間は意外と短かったなぁというのが、我が家のソファなんですね。

一方で最近うちの家で人気なのが、1人掛けソファです。1台買ったんですけど、おばあちゃん・女房・僕で取り合いになってます。母に聞くとね「3人掛けのソファってなんかフワンフワンしててヤダ」と言っていました。固い座り心地の3人掛けソファもありますが、それはそれでなんとなく座りが悪いそうです。真ん中にドーンと座るのは体がヨロヨロしたり、端に座るのも…という感じがあるようです。1人掛けのソファは体がスポッと入る感じが良いみたいです。こういう感じでね、家族の成長と共にソファへの欲求は変わるということを1つ知っておいて欲しいなと思います。

で、こういったことを知った上でソファを買うのはいいと思います。でも1階の間取りを考える上で、玄関の収納を充実させたい、リビンにもグ収納ほしい、ファミリークローゼットもほしいとか、いろいろな憧れが出てくるはずです。なので「これは絶対リビングにいるんです！」というところ整理して、譲れるところは譲ってもらえればと思っています。

ここ最近は、結婚する年齢も昔に比べると上がっています。たしか30歳ぐらいですよね。昔なら20歳そこそこで結婚して家には独立するのが普通だったかもしれませんが、今は子どもとして、家に暮らす期間が長くなっていますから、今回のソファ問題もそうした視点で選んでもらえればと思います。

大人になると、みんなが集まる場所はソファよりもダイニングの方が良かったりします。リビングはそれぞれが、それぞれの憩いの時間のときに使う、という過ごし方もありますので、そういった場合には1人掛けのソファがなかなか良いんですね。

常識も昔と今とでは変わっていますから、そうすると家づくりの発想も変わっていきます。僕は最近、このことをしみじみ思いますね。今回の話は、若い方からすると、おじさんのおせっかいに思われるかもしれませんが、そういう視点もあるということで、理解していただけたらうれしいなと思います。