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【これからの家づくり】電気自動車と蓄電池

今日のテーマは電気自動車についてです。未来に向けての家づくりに関わる話ですね。

今、中国やヨーロッパ、アメリカなどでは国を挙げて、自動車を電気自動車に変えて行こうというムーブメントがありますよ。世界的にそういう動きがあるので、日本も10年スパンで見たら家庭用の自動車が、ガソリン車から電気自動車に変わってくのではないか、と考えています。

その状況で、あるお客様から、こんな質問も受けました。
「将来、電気自動車を買うとしたら、どんな準備しておく必要がありますか?」と。
それと、電気自動車を買う方は太陽光発電も考えられているケースが多いです。その方も「10年経って電気の買取が期間終わった時、買取の金額がものすごく下がっていることもありますよね。今は蓄電池が話題ですから、リスク回避で蓄電池も備えておくことも考えています」とおっしゃってました。

そのことについて、現時点での森下なりの見解をお伝えしていきたいと思います。

まず、電気自動車の前に蓄電池の話をします。今フィットと言いまして、10年経って太陽光の買取期間が終わって、買い取り金額ガタンと下がったという家がたくさん出てきています。その家に対して「自分の家で作った太陽光発電の電気は、自分で使うのはどうですか?」と蓄電池を勧める業者さんが増えてきてます。

これについてはケースバイケースなので、簡単に答えは出せないです。でも「新築で蓄電池付けた方がいいんですか?」とご相談された方には、僕は「蓄電池はまだ早いと思います」とお伝えしています。

いま国産の蓄電池は、充電する容量が4KWぐらいのものだと、150万円くらいします。1KWあたりで考えると、なかなか高いですよね。なので「まだ時期が早いかなぁ」と思っています。

一方で、テスラという会社がパワーウォールと言う蓄電池を出しました。日本でも、今年ぐらいから本格的に売買されています。

さっき4KWと言いましたが、パワーウォールは13.5KWの大容量が99万円ぐらいになります。実際は工事費が乗るので、もう少し高くなって150万円ほどになると思います。でも「それぐらいの価格で出来るよ」という形になって、これが蓄電池に詳しい人によると画期的らしいんですね。

というのは、13.5KWいう容量がポイントになります。一軒の家が1日に使う電気が10KW〜15KWぐらいと言われているので、パワーウォール1個でですね1日の電気が全部まかなえてしまうんですね。それで注目されています。KWあたり7.3万円ぐらいで電池の換算が出来るので、従来の4KWが150万円〜200万円だと思うと、べらぼうに安いわけですよね。

だから「すごく良いな」ということになったんですけど、実はパワーウォールが出てくる前から、日本にはもっと効率の良い蓄電池があります。それが電気自動車です。

今、日本の電気自動車で有名なのは日産のリーフです。リーフの最上位機種は、65KWの充電ができると言われています。

車両自体は400万円くらいしますが、さっきのパワーウォールがKWあたり7.3万円に対して、リーフは62KWを400万です。なので1KWあたり6.45万になります。コストパフォーマンスで言うと、効率のいいパワーウォールより、電気自動車の充電器の蓄電池の方がさらに良いですよね。

ここまで長い前置きになりましたが、今日、みなさんに1つ知っていただきたいシステムがあります。それは「V2H」というのです。マニアックな話なんで退屈な人もいるかもしれませんが、知っておいて損はないので、ぜひ聞いていただきたいです。

V2Hというのは「vehicle to home」の略で乗り物と家をつなぐということです。家があって、屋根に太陽光発電が載っています。これを経由して、ある装置を起点に、EVカーつまり電気自動車に充電をしていく仕組みです。

これから家づくりをされる方も、数年後に予定されている方も、予備情報として知っておいていただければと思います。

V2Hというのは太陽光発電とか、当時の関西電力とかの電力会社からの電気を、電気自動車のバッテリーにダイレクトに充電して、その充電した電気を家で利用する。これが概念になります。

V2Hの何がいいかというと、一番効率のいい蓄電池を、車を利用することによって、家に取り込めるということになります。

太陽光発電が損か得かというのは、結構、議論にあがります。「損する」「リスクある」という人は、10年後の買取金額が定まっていないから、そういう風に考えられているんですね。一方で10年後は買い取ってもらわずに、充電して自分たちが使うという選択肢もあります。それでリスクヘッジができる可能性もありますので、今、太陽光を載せた人も蓄電池は関係のあるテーマになります。いつか関わることがあるかもしれないので、V2Hの仕組みを覚えていただけたらと思っています。

まず太陽光発電の仕組みを詳しく解説していきます。まず屋根に太陽光パネルを載せますよね。これをパワーコンディショナーというもので、太陽光発電の直流の電気を交流に変換します。交流に変換した電気を住宅の分電盤に送って、家で使います。

太陽光発電に対して、V2Hというのは1つの制御の機械と思ってください。太陽光発電をV2H経由で分電盤に送って、家庭で使うという仕組みになります。

このV2Hは、電力会社から電気を買ったり売ったりする流れもつきます。電気自動車からの制御もここから行くということもあります。つまりV2Hは位置と言うか、箱が非常に重要になります。

「うちの家は車を使わないから、電気自動車は関係ないわ」だけど「蓄電池は使いたいな」と思ったら、ここに蓄電池を置いてください。概要は同じです。

現時点で損か得かというのはケースバイケースです。僕が思うに、この難しい仕組みは理数系のマニアックな人しかコントロールができないと思っています。知識が必要ですし、手間がかかります。僕も使いこなせる自信がないです。

でも、今後10年ぐらいの間に、これらを全部機械がやってくれる可能性はあります。なので僕は個人的に、そうした技術が出てくるまで待ったらいいと考えています。

蓄電池を自動化する技術も研究されていますが、世の中的には、それよりも自動車をすべて電気自動車に変えていこうという動きの方が大きいです。なので、それを踏まえて電気自動車を使うことを検討されるなら、準備しておくことが2つあります。

1つは電気自動車用の電源を、カーポートの側のどこか壁面に作っておいてください。それをターミナルのようなところまで電源を引っ張って、ここを経由して分電盤から分けておきましょう。

2つ目は通常の家庭電源は100Vですが、電気自動車に関しては専用の200Vの電源が必要になります。これ、難しいことではないので安心してくださいね。例えばエアコンにも200V電源のエアコンがあります。あれを差し込みにするだけのことなので、クーラーコンセントを1個増やすような感覚だと思ってください。外部コンセント増やしておけば事足ります。

この2つを実施しておけば、電気自動車を使う上で最低の備えはカバーできます。気の利いたハウスメーカーさんや工務店さんでしたら「電気自動車用の電源取っておきますか?」と聞いてくれると思います。将来、電気自動車を使う可能性がありそうと思われる方は、コンセントを作っておいてくださいね。

その上で、蓄電池の活用も視野に入れる場合は、概要の絵に描いた、この中心になるところ経由で全ての配線をやってもらいましょう。線は、後からどうにでも継ぎ変えできる形にしてもらうと、より安心です。

この2つをしておけば、2021年2月現在の森下の考えとしては充分だと思います。その後、「どこの会社がいいもの作った」とか「新しい制御システムができた」ということでいろいろ判断する形でも、全然遅くないと思います。

ここまで分かりにくい話だったと思いますが、最後にもう1つ蛇足で言っておきたいことがあります。

僕がこの話をしようかなと思ったのには、理由が1つあります。それは僕がインターネット黎明期を経験したおじさんだからです。

世の中にインターネットが広がったのが1995年。僕にとって忘れられない阪神淡路大震災があった年に、windows95というのが登場して、インターネットが爆発的に広がりました。

それまでインターネットというのは、一部のマニアのためのものでした。でも、今インターネット使わずに暮らしてる人って、1人もいらっしゃらないと思います。

それまではインターネットをどういう風に引き込んで、どういう風に暮らしに使うかなんてことは、みんな考えていませんでした。

でも、未来的な家づくりを目指して取り組む方にとっては、電気自動車や蓄電池の制御というのは、割と近い将来向き合うことになるはずなんですね。なので最低でも、電気自動車用の電源は作っておくことをオススメします。その上で蓄電池を使う、太陽光発電を載せる可能性もありそう、という人は蓄電池とかV2H用の設備をやっていただくと、後で後悔することは回避できると思います。

少し未来的な話題でしたが、みなさんは知っていいただいて、家づくりの準備を進めていただけたらと思います。

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