メニュー

Movie

トップページ / 動画 / 家づくりについてもっと知りたい方 / 【続編】最強の暖房器具は太陽

【続編】最強の暖房器具は太陽

今日のテーマは最強の暖房器具についてです。

以前、別の動画で最強の暖房器具は何かな?という話をしました。

今回は、その発展版です。

暖房器具にはいろいろな種類がありますよね。

床暖房器具、ファンヒーター、蓄熱暖房機、エアコン、オイルヒーター、パネルヒーターなど。

たくさんある中で僕は以前の動画で、最強の暖房器具は「2重窓」。つまり、断熱性の高い窓が一番の暖房器具になりますと、伝えました。

これには、もう1つ意味がありましてこのことについて解説をしていきます。

最強の暖房器具というのはズバリ「太陽」です。熱源と言ったほうがもっと分かりやすいかもしれないですね。

日当たりの良い土地や日当たりの良い家を希望される方多いですよね。

これは、冬、暖かいが欲しいということの現れです。

日当たりの重要性をみなさん分かってはいるのですが、実際の現場を見ているとそこまで
徹底されていないというか、もっと積極的に取りにいけると思う時が結構あります。

今回のテーマを整理すると、最強の暖房器具はまず窓であると言いました。

これに最強の熱源である太陽をかけ合わせると、「南側の大きな窓」がバランスの取れた暖房器具になります。

なぜ素晴らしいかと言うとは、窓の「熱収支」という言葉がキーワードになります。

「熱収支」を初めて聞いた人に向けて少し解説しますね。

まずは窓の大きさ。リビングの南面でよく見る掃き出し窓は高さが2m弱(1953mm)です。「一間」と言ったりします。

あの窓は面積が大体3.3平米位です。

ああいう窓から太陽の光を取り込むわけですが、全部は入ってきません。いくらかロスがあります。

最終的には、約6割ほどになります。

そういう前提で、窓の性能は「U値」で表されます。ここで使う窓はU値2.0の想定です。

U値2.0の窓は性能面で見るとちょっといい窓です。

太陽の光というのは、晴天時で大体、平米あたり330Wと言われています。

なので60%入ってくるとしたら1平米あたり198Wとなります。

一方で、冬場の室温は最低20℃ほしいです。

窓から太陽の光と熱が入ってきますが、ガラスなので熱のロスがあります。

どれ位ロスするかというと、窓がU値2.0、室温が20℃、外気温は冬場の正午で5℃位と想定すると、温度差が15℃ありますよね。

U値2.0×15℃とすると、大体1mの真四角の窓から30W位は外に逃げていきます。

そうすると外からは1平米あたり198Wの熱が入ってきても30Wは逃げる。

リビングの掃き出し窓に置き換えると、3.3平米の窓なので、最終的に554W位の熱を取得していることになります。

550Wは、分かりやすく例えると昔の電気こたつと同じくらいです。

電気こたつは大体600W位です。

なので窓からは、こたつ1個分ぐらいの熱を取り入れているということなんですよ。

そうすると、樹脂ダブルやトリプルのような窓にして太陽熱を入れることができれば、タダで部屋が暖かくなります。

普通、電気代は灯油代とか光熱費として毎月お金を払っています。

でも、太陽は無料ですから「コスパ」という尺度で考えると、ものすごく良いですよね。

紛れもなく最強の暖房器具です。

なので、南側にどれだけしっかり窓を取るか。太陽の熱を取り込めるか、というのはとても大切なんです。

基本的なことかもしれませんが、しっかり頭に置いといてください。

これを考えるときは、方位のずれに注意してください。

人間は方位が45°位ずれてても違いが分からないことがありますから。

方位がずれて斜めになっていたら窓から入ってくる熱量は減ってしまいます。

なるべく南の方に窓を向けましょう。

そうすると、南側に取り付けた大きな窓は、ものすごくコスパの良い最強の暖房器具に変わります。

なので、暖房器具の種類とかを考えるよりも先に、窓の性能や取り方を考えることはすごく大事です。

太陽からの恩恵はほぼ永久的にあずかれますから、ぜひ頭に置いといてください。

窓の種類を考える時に1つ注意していただきたいことがあります。それは「Low-Eガラス」というものです。

今、高性能の家やリフォームを希望すると必ず出てきます。

住宅会社の営業マンが「ウチは全箇所Low-Eガラスですから」と言って、安心材料として宣伝していたりします。

Low-Eガラスには2つ種類があります。

1つが遮熱型。もう1つが断熱型と言われるものです。

断熱型は、取得型とか一般型とか言われることもあります。

遮熱型と断熱型の違いは絵で解説しますね。

これ、一応ペアガラスです。外気に面しているガラスの裏側に、反射面があります。(緑の塗膜が付いているとイメージしてください。これが遮熱型のLow-Eガラスです。

反対に、室内側のガラスに反射面付いてるもの。これは断熱型のLow-Eガラスです。

そうすると、遮熱型のLow-Eガラスは太陽光の輻射熱を弾きます。

鏡のように跳ね返すんですね。

なので、遮熱型のLow-Eガラスは南面に持ってくると、日射取得率60%からさらに少なくなります。

つまり、大きい窓をつくったのに、熱源としては弱くなります。

これを知らずに「Low-Eと付いてるから大丈夫です」と勧めている住宅会社さんを時々見ます。

気の利いた建材さんやガラス屋さんと提携している住宅会社さんでしたらあまり無いと思いますが。

お客様側でも「Low-EならOK」と思って進めてしまうことがあると思いますので注意してください。

一方、断熱型は反射面が室内側にあるので、熱をなるべく逃さないようにする効果があります。

また、熱が十分に入りますから「取得型」と表現するんですね

Low-Eガラスはこういう感じで2つあります。

断熱型Low-Eガラス(一般型or取得型)は南面に使ってください。

それ以外の北東西の面に関しては遮熱型Low-Eガラスがいいのかなと思います。

これを知っておくと、窓の取り方はきっとうまくいくと思います。

寒くなってくると家のいろいろなことに気が回っていくと思います。

例えば建物の壁とか。壁の断熱ももちろん重要ですが、優先順位で考えたらまずは「窓」です。

「外断熱にしたからOK」ではなくて、「窓をこうしたからここまでのことはOK」と言う方がかなり具体的です。

そして、完成した家の満足度や暮らしやすさをかなり左右します。

窓の話が続いていて、くどいかもしれませんが、忘れてほしくないことなので、改めて解説をしました。

ぜひ覚えておいてください。

家づくりのことなら、なんでもお気軽にご相談ください
お電話でのお問い合わせ
受付時間 9:00〜18:00 【水曜定休】